宴の器 つまみ

トントントントン、トントントントン…

 

​台所から心地よいリズムが聞こえてくる

ジュージュ…

お肉の焼ける音が静かになったら、そろそろ出勤の時間

「ご飯できるよ〜お皿出して」

BOSSの声に、おもちゃを触る手を止めて出勤体制に入る

手を洗い、ダイニングへ向かう

つま先立ちをしてやっと取手に手が届くようになった
大きな大きな食器棚の前でBOSSに声をかける

「今日のご飯はなぁに?」

なるほどなるほど、それでは丸い取り皿に
お椀の用意をしましょう

そうね、スプーンよりも蓮華が良さそう

お気に入りのカブの絵が入った蓮華は私のもの

パパはこれ、ママはこれ、お兄ちゃんは…

​テーブルはあっという間に賑やかになる

遅れて出勤の兄が料理を運び出す

私は次の大仕事に大きく息を吸い込む

​スゥー

「パパ〜!ご飯できたよ〜!!!」

日々の食卓が小さな宴になりますように